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外周刃によるフライス加工と正面フライス加工:CNC加工における主な違い

初出公開日 Oct 28, 2026, 更新日 Oct 28, 2026

1 min

目次
  • 外周刃によるフライス加工とは
  • 正面フライス加工とは
  • 外周刃を活用する主なフライス加工
  • 外周刃による加工と正面フライス加工の違い
  • 外周刃によるフライス加工の工具と段取り
  • 外周刃によるフライス加工で起こりやすい問題
  • 外周刃による加工と正面フライス加工の使い分け
  • 外周刃によるフライス加工で重要なこと
  • 外周刃によるフライス加工に関するよくある質問

外周刃によるフライス加工と正面フライス加工の比較

比較項目 外周刃によるフライス加工 正面フライス加工
主に使用する切れ刃 工具の外周刃 主切れ刃と、仕上げ面を形成する正面側の切れ刃
切削力の特徴 工具とワークに作用する半径方向の力が重要となる 切込み角や工具形状に応じて、軸方向と半径方向の分力が変わる
形成する面 工具軸に平行な面、側壁、溝、輪郭など 工具軸に垂直な平面
代表的な工具 エンドミル、平フライス、サイドカッタ、メタルソー 正面フライス、シェル形正面フライス、フライカッタ
主軸の向き 立て形・横形の両方に対応 加工面に対して主軸を垂直に配置する
表面仕上げ 側壁や輪郭面の仕上げに適する 広い平面を均一に仕上げやすい
主な用途 ポケット側壁、溝、輪郭、曲面など 広い平面、基準面の加工
切りくず厚さの変化 アップカットでは薄い状態から厚くなり、ダウンカットでは厚い状態から薄くなる 工具位置、切込み角、切削幅によって変化する
主軸への半径方向荷重 側面切削では大きくなりやすい 工具形状と切削条件に依存する
主軸への軸方向荷重 ねじれ角や加工条件によって発生する 工具の切込み角などによって大きく変わる
切削幅の設定 全幅溝加工から、工具径の5%程度の低切削幅加工まで選択できる 工具径、加工面の幅、工具経路に応じて設定する

正面フライス加工と外周刃によるフライス加工の仕上がりを比較したCNC加工部品

正面フライス加工と外周刃によるフライス加工の仕上がりを比較したCNC加工部品。(AI生成画像)

同じCNC工作機械で、似た形の工具を使用していても、加工方法によって切削挙動、表面仕上げ、切削力の方向、適した用途は異なります。外周刃によるフライス加工と正面フライス加工は、同じ加工を指す名称ではありません。両者の違いを理解することは、工具選定、段取りの剛性確保、仕上げ品質の改善に役立ちます。

外周刃によるフライス加工とは

工具の外周刃で鋼材の側壁を加工する様子

工具の外周刃で鋼材の側壁を加工する様子。(AI生成画像)

外周刃によるフライス加工(Peripheral Milling)とは、主に工具外周の切れ刃で材料を除去し、工具軸に平行な面を形成する加工です。平フライスによる平面加工や、エンドミルの外周刃を使用した側面加工などが含まれます。

外周刃による材料除去の仕組み

エンドミルで溝や側壁を加工する場合を考えてみます。工具の円筒部に設けられた外周刃が、回転しながらワークに切り込み、切りくずを排出します。側壁は工具の回転軸に平行に形成されます。なお、溝やポケットの底面を同時に加工する場合は、底刃も切削に関与します。

切りくずの形成は、アップカットとダウンカットで異なります。アップカットでは、各刃の切取り厚さがほぼゼロから最大へ増加します。切込み初期に擦過が生じやすい一方、送り機構にバックラッシがある機械では、ワークを工具側へ引き込む問題を避けやすい場合があります。ダウンカットでは、切取り厚さが最大からほぼゼロへ減少します。剛性と送り機構の精度が十分なCNC工作機械では、良好な仕上げや工具寿命を得やすい方法ですが、切込み時の負荷とワークの引込みに配慮が必要です。

外周刃による側面加工では、工具とワークに作用する半径方向の力が重要になります。この力は工具を加工面から逃がす方向にたわませたり、ワークを治具内で横方向へ変位させたりします。長いエンドミルのたわみは、側壁のテーパや面粗さの悪化を招く代表的な原因です。工具の突出し長さを短くし、保持剛性を高め、半径方向の切込みを抑えることが対策になります。

半径方向の切込み、すなわち切削幅は、工具径のうちどの程度を材料に接触させるかを表します。直径20 mmのエンドミルで工具径の50%の切削幅を設定すると10 mm、10%では2 mmとなります。低切削幅では平均的な切削負荷を抑えやすく、切りくず厚さを考慮した送り設定も可能です。この考え方は、低い半径方向切込みと大きな軸方向切込みを組み合わせる高能率加工にも活用されます。

正面フライス加工とは

アルミニウムの平面を加工する正面フライス

アルミニウムの平面を加工する正面フライス。(AI生成画像)

正面フライス加工は、工具軸に垂直な平面を形成するフライス加工です。一般的な正面フライスでは、主切れ刃が材料を除去し、正面側の副切れ刃やワイパー刃が仕上げ面の形成に関与します。

側面加工との大きな違いは、工具軸と加工面の位置関係です。水平面を加工する一般的な立て形マシニングセンタでは、主軸を加工面に垂直に配置し、工具を横方向へ送って平面を形成します。

正面フライス加工は、露出するアルミニウム部品や治工具部品などの外観品質と、平面の均一性を左右する工程です。

また、後工程の基準面を作る役割もあります。最初に加工した面の平面度や、他の基準との直角度、寸法が適切でなければ、後工程の位置決めや寸法管理にも影響します。

正面フライスによる材料除去の仕組み

正面フライスは、回転しながらワークに対して横方向に移動し、各インサートが順次材料を切り取ります。外周側の主切れ刃による材料除去と、正面側の切れ刃による仕上げを組み合わせて平面を形成します。

外周刃による加工では工具側面が壁面形状を形成するのに対し、正面フライス加工では工具の正面側の軌跡が仕上げ面を形成します。

切削力の方向は、切込み角、すくい角、切削幅、工具位置によって異なります。例えば、切込み角の小さい高送り工具は、軸方向の分力が大きくなる傾向があります。一方、90°肩削り工具では半径方向の分力も重要です。機械とワークの支持方向に合った工具を選ぶことで、加工を安定させやすくなります。

切りくずの薄肉化を利用する高送り工具では、浅い軸方向切込みと大きな一刃当たり送りを組み合わせ、効率よく材料を除去できます。直径63 mmや80 mmの工具を用い、アルミニウム加工で2,000~4,000 mm/minを超える送り速度を設定する例もありますが、適用条件は工具仕様、回転速度、機械能力によって異なります。

インサートの形状も重要です。ポジティブすくい角の工具は切削抵抗を抑えやすく、ステンレス鋼やアルミニウム合金で有効な場合があります。ネガティブすくい角の工具は刃先強度を確保しやすい一方、切削抵抗が増える傾向があり、鋳鉄や粗加工などで機械剛性との適合を確認します。

刃数も、単純に多ければよいわけではありません。回転速度と一刃当たり送りを同じにした場合、刃数が増えると送り速度と材料除去率が増え、必要動力も大きくなります。主軸出力に余裕の少ない機械では、刃数を抑えた工具のほうが安定する場合があります。

正面フライス加工の主な用途

正面フライス加工は、機械ベース、治具プレート、油圧マニホールド、金型プレート、航空宇宙用ブラケット、歯車装置のハウジング、医療機器の取付面、アルミニウム製スペーサなど、幅広い部品に使用されます。

特に、素材から削り出す際の最初の段取りで多く用いられます。熱間圧延鋼材には黒皮や反りがあり、切断したアルミニウム材にも面のばらつきがあります。正面フライス加工によって、精密加工に必要な清浄で安定した基準面を作ります。

大型鋼部品の粗加工では、超硬インサート式正面フライスで一回に2~6 mm程度の切込みを設定する例があります。アルミニウムでは、主軸出力と工具仕様に応じて、さらに高い材料除去率を得られる場合があります。航空宇宙分野などでは、対応する設備と工具を用い、直径100 mmの工具を10,000 min−1を超える回転速度で運転する例もあります。

表面粗さは、粗加工ではRa 3.2~6.3 µm程度が一例です。安定した条件でワイパーインサートを使用すると、Ra 0.8 µm未満を狙える場合もあります。ただし、実際の仕上がりは、材料、工具の振れ、送り、機械剛性などによって変わります。

工具径とワーク幅の関係も、仕上げ面の均一性に影響します。一回のパスで幅全体を加工する場合は、工具径をワーク幅より20~30%程度大きくすることが目安となる場合があります。実際には、工具の配置、切込み・抜け際の条件、機械能力も含めて選定します。

外周刃を活用する主なフライス加工

加工方法 切れ刃の関与 形成する形状 主な用途 実務上のポイント
平フライス加工 円筒状工具の外周刃で切削する 主軸に平行な広い平面 鋼板、機械ベース、素材の粗加工 大量の材料除去に適するが、工具幅と機械剛性がびびりに影響する
側面加工 外周刃や側刃で壁面を加工する 側面、段差、溝の側壁 治具の側面、ポケット壁、精密な肩部 切込みが増すほど横方向の負荷が大きくなり、長い工具ではたわみに注意が必要
溝加工 工具幅や工具径に相当する範囲で切削する 直線溝、キー溝など キー溝、T溝の前加工、案内溝 全幅切削では工具負荷が高くなり、切りくず排出が制限されやすい
両側面同時加工 2枚のサイドカッタで同時に加工する 所定の間隔を持つ平行な2面 平行面、スペーサ形状、量産用部品 形状変更への柔軟性より、面間距離の安定性を重視する生産に適する
組合せフライス加工 1本のアーバに複数のカッタを取り付ける 複数の面や溝 量産部品、自動車部品など 段取りに手間がかかるが、条件が確立すれば一回の送りで複数箇所を加工できる
輪郭加工 外周刃を輪郭に沿って移動させる 外形、曲線輪郭 金型、航空宇宙用ブラケット、削り出し部品 経路によって工具の接触量が変わるため、送りの最適化が重要
三次元輪郭加工 曲面に応じて外周刃や先端部を使用する 自由曲面、立体的な輪郭 タービン部品、金型、医療用インプラント ピックフィードを小さくすると仕上げは改善しやすいが、加工時間が増える
肩削り加工 外周側と正面側の切れ刃を組み合わせる 90°の壁面と段差 ポケット端部、取付部、構造部品 工具形状とコーナ半径によって、隅部の仕上がりや追加加工の要否が変わる
ヘリカル補間加工 円弧移動と軸方向送りを組み合わせ、外周刃と底刃などで切削する 穴、内径、ポケットへの進入部 大径穴、ねじ加工前の下穴、ポケットの進入加工 垂直突込みに比べて軸方向の負荷を抑えられる場合がある
深い側壁の加工 壁の深さ方向に長い範囲で外周刃を使用する 高い壁、深いキャビティ、薄肉部 航空宇宙用リブ、バッテリートレイ、軽量構造部品 主軸出力より先に、工具やワークのたわみが制約となる場合がある

外周刃による加工と正面フライス加工の違い

正面フライス加工と外周刃によるフライス加工の比較

正面フライス加工と外周刃によるフライス加工の比較。(AI生成画像)

切削挙動の違いが品質に与える影響

同じCNC工作機械を使用しても、切れ刃の関与の仕方によって、力の分布、切りくず形成、工具のたわみ、熱の集中、表面性状、加工の安定性が変わります。これらは、寸法精度、工具寿命、生産時の信頼性に直接影響します。

切れ刃の関与と切削力の方向

外周刃による加工では、主に工具外径部の切れ刃が仕上げ面を形成し、工具軸は加工する壁面に平行になります。正面フライス加工では、工具軸が仕上げ面に垂直になります。

側面加工では、工具とワークへの横方向の負荷が重要です。深い壁面や突出し長さの大きい工具では、半径方向の負荷によってたわみが生じやすくなります。正面フライス加工では、工具の切込み角などを選ぶことで、軸方向と半径方向の負荷配分を調整できます。

例えば、直径12 mmの同じエンドミルでも、突出し長さが70 mmの場合は、20 mmの場合に比べて大幅に剛性が低下します。工具の突出し長さは、加工の安定性を左右する重要な条件です。

表面仕上げと工具跡の形成

加工面に残る工具跡には、切れ刃と材料の関わり方が反映されます。

正面フライス加工では、インサートの軌跡が重なった円弧状の模様が形成されます。安定した条件では均一な面を得やすく、ワイパーインサートによって送りマークの山を抑え、さらに粗さを改善できます。

外周刃による加工では、送り方向、刃のねじれ、振れなどを反映した方向性のある工具跡が側壁に残ります。工具の側面が、そのまま壁面形状を形成します。

そのため、表面仕上げと寸法精度は密接に関係します。わずかな工具のたわみでも、壁面位置のずれや深い形状のテーパにつながります。薄肉部品では工具とワークの両方が変形するため、特に影響が大きくなります。

航空宇宙用リブ、深いポケット、薄肉のアルミニウム構造では、支持のない部分に横方向の力が作用し続けるため、こうした問題が現れやすくなります。

精密な壁面やポケットでは、仕上げ代を小さくした軽切削によって負荷を抑え、寸法の安定性を高める方法が用いられます。

バリの発生位置も異なります。外周刃が壁面の端から抜ける部分では、特にステンレス鋼や延性の高いアルミニウム合金で、エッジバリが問題になることがあります。

切りくず形成と材料除去の挙動

切りくずの挙動は、工具の接触条件と周囲の空間によって変わります。

開放された平面の正面フライス加工では、各刃が材料への切込みと離脱を繰り返し、切りくずの排出空間も確保しやすくなります。

一方、溝、深いポケット、大きな軸方向切込みを伴う外周刃加工では、切りくずが工具の周囲に残りやすくなります。

全幅の溝加工は、負荷の大きい代表例です。切りくずが狭い溝内に滞留すると再切削が起こり、表面仕上げの悪化、切削抵抗の増加、逃げ面摩耗の進行につながります。

鋼などでは、切りくずが青色や麦わら色に変色することがあります。ただし、色だけで過熱や加工異常を断定することはできず、工具摩耗や切削状態と併せて判断します。

こうした課題に対し、高能率加工では、半径方向の切込みを抑え、大きな軸方向切込みと適切な送り速度を組み合わせる方法が用いられます。適応制御型の工具経路では、接触量の急変を抑え、負荷を安定させます。

条件が適切であれば、平均的な切削負荷を抑え、切りくず排出と熱管理を改善できます。

材料による違いも重要です。アルミニウムでは切りくず詰まりや溶着、ステンレス鋼では発熱と加工硬化、チタンでは切削点付近の熱集中と工具摩耗への対策が必要です。

加工の安定性と工具のたわみ

外周刃による側面加工では、繰り返し横方向の負荷が作用するため、剛性不足が加工結果に現れやすくなります。

突出し長さが増すと工具剛性は大きく低下します。同じ切削条件でも、長い工具ほどたわみやびびりが生じやすくなります。

回転速度や送り速度の調整だけでなく、工具の突出し長さを短くすることが、安定性の改善に有効です。

機械剛性とワーク保持も重要です。横形機で支持アーバを使用した工具構成は、重切削時の半径方向荷重に有利な場合があります。ただし、実際の剛性は主軸の向きだけでなく、機械構造、工具保持、ワークの支持方法によって決まります。

ワークの支持が不十分な場合は、横方向の負荷で振動が増幅し、びびり、刃先摩耗、面品質のばらつきにつながります。

工具跡の方向と表面性状

工具跡の方向は、外観だけでなく、部品の使用性能にも影響します。

正面フライス加工では、インサート軌跡が重なった円弧状の模様が形成されます。外周刃による加工では、側壁や輪郭に沿って、送り方向や刃形の影響を受けた方向性のある模様が残ります。

この違いは、潤滑油の保持、密封性、塗装の密着性、摩擦、光の反射などに影響する場合があります。

摺動部品、シール面、外観を重視するアルミニウム部品では、Ra値が同程度でも、表面模様の方向によって性能や見え方が異なることがあります。

例えば、電子機器の筐体や切削カバーは、粗さがほぼ同じでも、工具経路の違いによって照明下で異なる外観を示す場合があります。

生産部品で加工方法が適切でないと、不要な仕上げ工程、壁面寸法の不安定化、ロット間の外観差につながります。JLCCNCでは、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどの部品について、表面品質、剛性、加工の安定性を考慮した加工方法の選定を支援します。

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外周刃によるフライス加工の工具と段取り

超硬の平フライス、サイドカッタ、エンドミル

超硬の平フライス、サイドカッタ、エンドミル。(AI生成画像)

外周刃による加工性能は、工具形状と段取り剛性に大きく左右されます。深い加工や厳しい壁面公差では、側面に作用する切削負荷を管理することが重要です。

軽い平面加工では安定していた段取りでも、長い工具の外周刃を大きな軸方向範囲で使用すると、不安定になる場合があります。CAM上の工具経路や主軸出力だけでなく、実際の工具・ホルダ・ワークの剛性を確認する必要があります。

平フライス・サイドカッタ・エンドミル

外周刃を使用する工具には複数の種類があり、加工形状と負荷のかかり方に応じて使い分けます。

平フライスは、主に横形フライス盤などで広い平面を加工する円筒状の工具です。支持アーバを適切に使用することで、高い剛性を確保できます。

鋼材を8~12 mm程度の切込みで加工するような重切削では、工具とアーバの支持構成が重要になります。十分な支持を持つ平フライスは、片持ちの小径エンドミルに比べ、大きな切削負荷に対応しやすい場合があります。

サイドカッタは外周と側面に切れ刃を持ち、溝、肩部、平行な2面の加工などに用いられます。2枚を組み合わせる両側面同時加工では、一回の送りで面間距離を安定させやすくなります。

エンドミルは、現在のCNC加工で広く使用される工具です。

超硬ソリッドエンドミルは、粗加工、仕上げ、高速・高能率加工に対応します。鋼では4枚刃が剛性と切りくず排出のバランスを取りやすい選択肢となり、アルミニウムでは排出空間の広い2枚刃や3枚刃などが多く使用されます。

不等リードや不等分割の工具は、びびりの抑制に有効な場合があります。不等分割では刃間隔を、不等リードでは刃ごとのねじれ角を変えることで、切削による周期的な励振を調整します。いずれも、加工条件と工具仕様を適切に組み合わせることが重要です。

横形と立て形の機械構成

横形工作機械では、重力によって切りくずを落下させやすく、深い形状の排出性が改善する場合があります。また、アーバで支持する工具構成は、重い外周切削の半径方向荷重に対応しやすいという利点があります。

立て形マシニングセンタは、一般的なCNC加工に柔軟に対応し、小型部品や中程度の切込みを伴う外周刃加工にも広く使用されます。ただし、長いエンドミルに大きな横荷重を加える場合は、工具と保持部の剛性に注意が必要です。

機械構造、切りくず排出、用途の違いについては、立て形CNC加工と横形CNC加工の比較をご覧ください。

工具の突出し長さと剛性

突出し長さは、外周刃による加工の安定性に大きく影響します。横方向の切削力が作用するため、突出しが長くなると、たわみ、びびり、壁面品質のばらつきが生じやすくなります。

短い超硬エンドミルでは安定する条件でも、同じ工具を長く突き出すと寸法精度を維持できない場合があります。工具の突出しを短くする対策は、回転速度や送り速度の調整だけより有効なことがあります。

ホルダの剛性、振れ、減衰特性も確認します。油圧ホルダや焼ばめホルダなどは、用途に応じて低振れ、高剛性、振動減衰の面で利点がありますが、コレット式を含め、工具径や加工条件に適した方式を選定する必要があります。

アップカットとダウンカットの選定

外周刃による加工では、送り方向によって切削挙動が変わります。アップカットは、切取り厚さが小さい状態から大きくなるため、切込み初期に擦過や発熱が生じやすくなります。ダウンカットは、厚い状態から薄くなる切削で、十分な剛性を持つCNC工作機械では、良好な仕上げと工具寿命を得やすい方法です。

現在のCNC加工では、ダウンカットが多く採用されます。一方、黒皮の状態、工具の進入条件、送り機構のバックラッシなどを考慮し、アップカットを選ぶ場合もあります。いずれの場合も、安定したワーク保持が必要です。

詳しくは、ダウンカットとアップカットの比較をご覧ください。

外周刃によるフライス加工で起こりやすい問題

問題 主な原因 加工結果への影響
びびり・振動 工具の突出し過大、切削負荷の変動、剛性不足 波状の加工面、大きな切削音、工具寿命の低下
工具摩耗・刃先損傷 過大な発熱、切りくずの再切削、過大な工具接触量 刃先欠損、寸法精度の低下、突発的な工具破損
面粗さの悪化・バリ 切れ味の低下、不安定な送り、切削方向や進入・離脱条件の不適合 粗い壁面、大きなバリ、エッジ品質のばらつき
深い形状・薄肉形状の寸法誤差 横方向の切削負荷による工具とワークの変形 ポケット寸法不足、壁面のテーパ、薄肉部の反り

外周刃による加工と正面フライス加工の使い分け

平面加工と側壁加工

広い平面には、正面フライス加工が適しています。工具の正面側で効率よく面を形成し、均一な仕上げを得やすいためです。側壁、溝、輪郭、ポケットの側面、深い形状には、外周刃を使用した加工が適しています。

粗加工と仕上げ加工

正面フライス加工は、平面の粗加工や基準面の形成で効率よく材料を除去できます。外周刃による加工は、詳細な輪郭や側壁の寸法精度を確保する場面で重要になります。なお、横形機の平フライス加工も、大量の材料除去に適した方法です。

薄肉形状とたわみへの配慮

薄肉形状では、切削力の方向と支持方法の組合せが重要です。正面フライス加工でも軸方向荷重によるたわみが生じることがあり、必ずしも薄肉部に有利とは限りません。外周刃による側面加工では、横方向荷重によって壁面や長い工具が変形しやすいため、切込み量、加工順序、支持位置を調整します。

機械構成と工具の接近性

横形機は、切りくず排出やアーバ支持を活用した外周刃加工に適する場合があります。立て形マシニングセンタは、平板部品の段取りや正面フライス加工を行いやすい構成です。実際の選定では、工具の到達距離、主軸と工具の剛性、ワーク保持、加工面への接近性を総合的に判断します。

外周刃によるフライス加工で重要なこと

外周刃による加工と正面フライス加工は、同じCNC工作機械で実行できますが、工具と材料の接触の仕方が異なります。その違いが、切削力、切りくず排出、熱の集中、工具のたわみ、最終的な表面品質に影響します。

広い平面の加工には正面フライスが、側壁、溝、輪郭、詳細形状には外周刃を使用した加工が適しています。最適な方法は、部品形状、剛性、表面仕上げの要求、切削力と保持状態の関係によって決まります。

安定したCNC加工を実現するには、工具が負荷を受けたときの挙動を理解し、再現性と効率を両立できる加工方法を選ぶことが重要です。

JLCCNCでは、高速アルミニウム加工から、厳しい公差が求められる鋼・チタン部品まで、複雑なCNC部品に適した加工方法の選定を支援します。CADファイルをアップロードして、加工に関する技術的なフィードバックと見積もりをご確認ください。

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外周刃によるフライス加工に関するよくある質問

CNC加工における外周刃によるフライス加工とは何ですか?

主に工具外周の切れ刃で材料を除去し、工具軸に平行な面を形成する加工です。平フライス加工や、エンドミルの外周刃を使った側面加工などが含まれます。

深い側壁にテーパが生じるのはなぜですか?

主な原因は、側面切削時の半径方向荷重による工具のたわみです。突出し長さが大きく、壁が深いほど、工具が指令経路から逃げやすくなります。薄肉ワーク自体の変形も、寸法のばらつきを大きくする場合があります。

ポケット仕上げを正面フライス加工だけで行えますか?

正面フライス加工は、工具が接近できる平面の加工に適していますが、ポケットの側壁や垂直面には外周刃による加工が必要です。多くの部品では、同じ段取り内で両方を組み合わせます。

外周刃による加工には、どのような工具を使いますか?

エンドミル、平フライス、サイドカッタ、溝加工用カッタ、成形フライスなどを使用します。加工形状、材料、必要な剛性に応じて選定します。

溝加工も外周刃によるフライス加工に含まれますか?

はい。外周刃で材料を除去する溝加工は、その一種です。ただし、エンドミルで溝底も同時に加工する場合は、底刃も切削に関与します。

外周刃による加工で半径方向の切削力が問題になるのはなぜですか?

工具の外周で切削するため、工具とワークに横方向の力が作用するからです。この力が工具やワークをたわませ、壁面位置や仕上がりに影響する場合があります。実際の力の大きさと方向は、工具形状や切削条件によって変わります。

正面フライス加工より外周刃による加工が適しているのは、どのような場合ですか?

溝、側壁、輪郭、ポケット側面、深い形状など、正面フライスでは目的の面を形成しにくい場合です。横形機で平フライスを使用し、工具軸に平行な広い平面を加工する場合にも適しています。

どちらの加工方法のほうが、きれいな仕上がりになりますか?

広い平面には正面フライス加工、側壁や輪郭には外周刃による加工が適しています。仕上げ品質は加工方法だけでなく、工具の振れ、剛性、切削条件、ワーク保持によって決まります。

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